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管理人の食卓風景と日常の日記
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先週金曜、私の助手をしている看護学生が欠勤しました。
理由は、市外に住んでいてその都市の病院に入院していたおじいさんが亡くなったとの事。
職員が出勤前の夜勤時間帯に連絡が来て、その次の連絡は仕事が始まった午前9時前でした。
その時電話に出た外来看護主任は、お悔やみを言うとともに、葬儀に関する会場・日時を教えて欲しいと言ったところ、まだ決まっていないので決まり次第再び連絡するとの事で電話を切ったそうです。
親族が亡くなってそれは大変な事ですから、外来看護主任はその助手の代わりに急遽病棟配属の看護学生を私の助手に手配してくれ、私の仕事自体は特に何事もなく過ぎました。
ところが、待てど暮らせど葬儀に関する連絡が来ない。
いくら悲しみに暮れていたとしても、社会人である以上自分の職場に対する連絡を忘れてはならないでしょう。
祖父と言う事ですから、規定で病院からも親睦会からも香典と弔電を出しますし、市内ではないので代表して事務長が香典を届ける事ぐらいはするのが義務ですから、葬儀会場と日時、亡くなった方の名前と喪主の名前を知らなければなりません。
自宅に電話をしても出るはずもないですし、彼女の携帯番号を知ってる人間は誰もいないんです。
その時すでに、携帯番号を知っているであろう他の看護学生は学校へ行ってしまい、まさに授業中だと思ったので病院から連絡して携帯番号を聞くのは控えました。
結局、その日は連絡なし。
翌日の土曜日、私は土日連休でしたから昨日の月曜に聞いた話ですが、連絡が来ないので仕方なく事務員が自宅に電話をしてみたところ、呼び出し音がややしばらく鳴って電話に誰かが出たそうです。
その時、先に病院名を言ってしまったのが失敗だったと事務員は後で言っていましたが、「もしもし、もしもし」と何度呼んでも返事がなく黙ったままで、「◎×さんのお宅ですか?」と聞いたところ、「違います」と聞き取れないほど小さな声でようやく返事が返ってきたそうです。
おかしいと思った事務員は、「電話番号1番ですよね?」と聞いたところ、「いいえ、2番です」との返事。
とりあえず失礼しましたと電話を切ったそうですが、納得いかない事務員はリダイヤルしてみたところ電話機に表示された電話番号はまさしく「1番」で、間違いなかったそうです。
おかしい、怪しい、何か変だと、外来看護主任や看護師長にその事を報告し、まあ月曜には出勤するだろうからその時に詳しく聴こうと言う事になって、土曜は終わったそうです。
そして昨日月曜日、この事務員と外来看護主任が朝出勤すると同時に、真っ先に私に報告に来て、彼女は出勤してるかと聞きました。
その時はまだ私は彼女とは顔を合わせていませんでしたが、ネームプレートが出勤になっていたので朝の掃除でもしてるんだろうと話しました。
その後彼女は、当然のことながら外来看護主任からは社会人としての対応がなっていない、当然の連絡が来ないのはどういう事かと怒られ、事務員からは改めて葬儀会場や日時など詳しく聞かれ、当然の行為として香典を手渡し、北海道特有の「香典の領収書」もしくは「会葬御礼」の文面が記載された葉書を持参するようにと指示されました。
ところが彼女の返事は、「始めて葬儀に参列したので、そういうものがあるかどうか分からない」とあやふやな返事だったそうです。
じゃあ、両親は知っているから聞いて持ってきてと言うと、「はい」と返事をして香典を受けとって事務所を出たらしいです。
その後私の元に戻ってきて、助手としての仕事をしていたところ看護師長が来て、『いつ亡くなったのか、何で亡くなったのか、前から病気だったのか、どこに入院してたのか、何歳で亡くなったのか、父方の祖父なのか母方の祖父なのか等々』、「大変だったねぇ」と慰めの言葉をかけながらも詳しく根掘り葉掘り聞いて行きました。
その時の返事自体におかしなところは見受けられず、横で聞いていても返事に詰まったのは年齢を聞かれた時にほんの少し思い出すように答えた時だけでした。
用があって事務所に行くと、やはり事務員は「おかしい、何かおかしい」を連発し、納得いかない様子で興奮していました。
「だってね先生、麻生(仮名)って言う苗字のおじいさんが亡くなったっていうのに、新聞のお悔やみ欄を探してもどこにもそんな苗字は載ってないし、忌引き扱いになるから証明になる領収書とか会葬御礼の葉書を持ってきてと言っても、そんなの知らないなんてあり得ないじゃないですか、小学生じゃあるまいし19歳ですよもう」
確かに私も最初からおかしいとは思っていたし、いつの間にかこの話が病院全体に広まって疑いの眼差しで彼女を見ている。
そして今日、朝イチで事務に用事があるからと行った彼女、数分で戻ってくると今度は私に対しこう言いました。
『実は・・・、うちの家系は何と言うか複雑で、おじちゃんとおばあちゃんは一緒に住んでいるけど籍が入ってなくて、お父さんとも私とも血が繋がっていないので、お香典を貰うのはまずいんじゃないかとお母さんが言ってるんですけど』と。
私の返事はこう、「血が繋がっていなくても入籍してなくても、内縁関係である以上は法律上の夫婦と認められるから、あなたの身内である事に変わりはないんですよ。その場合、社会通念上、香典を出すのは当然な訳で、それを断るのは間違いだからね。たとえ内情がどれだけ複雑であっても、それはこちらの知るところじゃないし、あなたのおじいちゃんが亡くなったという事実があれば、大人の世界では当然の事としてお悔やみを言って香典を出すものなんだ。わかってくれるかな?」
今から思うと彼女のその時の「はい」と言う返事と笑顔は、追い詰められた絶望の微笑みだったようです。
仕事に戻ってしばらくして、毎朝やってくる看護師長が来て出て行こうとした時急に彼女が「師長に話があるので行っていいですか?」と聞くや否や、さっと看護師長の後を追いかけるように出て行きました。
もしかすると、もしかするかと思いつつ、彼女がいない間に事務所に行ってさっき彼女が何を話しに来たかを聞いてみると、やはり私に言った事と同じだったそうです。
ところが事務員は、「そんな事言われても困るんです」と聞く耳を持たず、追い返したとか。
その後私には正論を言われて、もはやこれまでと思ったんでしょう。
ややしばらくし看護師長と話を終えて戻ってきて、今度は私が看護師長に呼ばれてひと気のないところで話をしました。
看護師長が言うには、彼女は職場での人間関係に悩んでいて、もうこれ以上は勤めるのが辛いから辞めますと言ってきたとの事。
それもできるだけ早く今すぐにでも辞めたいが、今は薬局に配属されていて今すぐ辞めると先生(私の事)に迷惑がかかるから、配属期限である今月一杯は勤めて、来月頭には辞めたいと言ってきたそうです。
その話を聞いて、私はピーンときました!
「師長、昨日からの彼女の話を聞いてますか?」
私の中ではすべてが繋がったんです。
土曜日の電話の件以降、看護師長は知らないと言うのですべてを話しました。
「師長は昨日薬局で彼女と話をした時に、彼女は父方の祖父が亡くなったと言ったのを覚えていますか?」
「事務では、麻生(仮名)って言う苗字の母方のおじいさんが亡くなったと彼女から聞いたと言ってましたよ。もうそこでおかしいと思いませんか?」
看護師長の返事は、「えっ!?そうですか・・・やっぱりねぇ~」
看護師長はまさかそんな事はと思いつつも、もしかしたらと疑ってはいたそうです。
続けて看護師長は、「本人が人間関係がと言うから、それはどこへ行っても同じようにあるよと言ったけど、これじゃあ引き留めても無理ですね。強く引き留めたら、明日から出勤して来なくなりますものね」と。
結局、私と看護師長を含めた皆の一致した意見は、本人としてはサボる為のほんの出来心のウソだったものが、お金まで渡されて領収書を持ってこいと言われ、ウソにウソを重ねても言い逃れできなくなり、収まらないほど問題が大きくなってしまったため、とっさに辞めますと言ってこの状況から逃れようとしたんだろう、そして自分は悪くない、職場の人間関係が悪いんだと言う事にして、逆に自分を悲劇のヒロインにしようとしているんだろうと言う事になりました。
辞めると言ってしまった後の彼女の表情はさっぱりしているように見えたので、この数日間は針のムシロだったんじゃないんでしょうか。
どうせなら、もっと練りに練ったストーリーを考えればよかったものを、所詮ウソでサボろうなんて小賢しい事しか考えつかない人間にそこまで求めるのは酷なんでしょうか。
この彼女、職場のすぐ近くまで来て腹が痛いから帰りますと電話してきて怒られたり、具合が悪いから点滴するより家へ帰らせてくれと院長の前で泣いたり、風邪を引いたので休んで近所の病院へ行きますと電話をしてきてあなたの職場は何!と怒られたり、毎月の事なんだから婦人科へ行くなどしてそれなりの対処をしなさいと言われているのに毎月のように生理痛で休みますと電話をしてきて呆れられたりと、地味に色々問題行動をしてました。
そう言った一連の事があったからこそ、もはや誰も信用せず、誰一人としてかばってやろうなどとは思わなかったんです。
最終的に、看護師長が院長にすべてを報告し、「(辞めたいと言うなら)いいんじゃないか」と退職が決まりました。
今の段階で、ウソだったことはまだ告白していませんし、昨日渡した香典も返してはいません。
最後の最後の日にでも、実は・・・と言えればいいんですけど、それも望み薄ですし。
たとえ本当に葬儀があったとして、明日や明後日にでも証明できる書類を持ってきたとしても、動き出した物を止める事はないでしょう。
この先、彼女の長い人生において、一生この十字架を背負っていかなければならない訳ですが、果たしてその十字架は彼女にとって重いのか軽いのか、私には考えが及びません。
彼女にとっては、若き日のほんのちょっとした過ちであっても、騙された我々周りの者にとっては一生恨みが消える事はないでしょう。

「昼食」
・塩ラーメン
・ごはん
・なぜかコロッケ

「夕食」
・プデチゲ(韓国軍隊鍋)風餃子鍋(ギョウザ、キャベツ、人参、豚肉、インスタントラーメン:正油とんこつ味)
・ごはん
・キムチ

「デザート」
・ロールケーキ with ホイップクリーム

今日のBW:78.5kg

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プロフィール
HN:
管理人「か」
性別:
男性
趣味:
食べる事、旅行、飛行機関連
自己紹介:
某医療機関に勤務する、メタボな食いしん坊です。
もともと民間旅客機・軍用機を含む航空機全般が好きでしたが、2006年の4月から陸マイラー(時々空マイラー)生活を始めた、もっぱらJALマイラーです。

   保有JALマイル
合算:76,381マイル
私の分:76,381マイル
奥さん分:0マイル
2021年2月15日現在

マイル使用歴
2009/1/15:40,000マイル
2010/1/11:50,000マイル
2011/1/15:70,000マイル
2011/11/1:60,000マイル
2012/9/10:40,000マイル
2015/1/17:100,000マイル
2017/1/12:10,000マイル
2018/4/23:30,000マイル
2018/10/20:50,000マイル
2019/10/31:15,000マイル
2019/12/15:35,000マイル
2020/6/18:20,000マイル
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