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管理人の食卓風景と日常の日記
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【セラチア菌とは】
セラチア菌は、大腸菌や肺炎桿菌などに近いグラム陰性桿菌で腸内細菌科に属し、正式には"Serratia marcescens"という学名です。
赤い色素を産生する株もあり、パンがキリストの血で赤く着色するキリスト教の故事に因んで「霊菌」とも呼ばれます。

【菌の所在】
セラチア菌は水や土壌に広く分布し、糞便や口腔などからしばしば分離される常在菌の1種で、病院施設(特に湿気の多い場所)だけではなく一般の家庭でも洗面台などの湿潤環境に存在します。
セラチア菌は赤色からピンクの色素を産生することが多く、洗面台などにバイオフィルム(複数の細菌が共存して複合体を形成し、固体の表面に付着した状態のものの総称)を形成しているのが見えることがあります。
セラチア菌は、栄養源の乏しい水の中でも増殖します。
病院内での場合は、医療従事者の手、人工呼吸器の管、輸液や輸液ルート、ネブライザーなど呼吸器系装置の加湿水(滅菌精製水であっても)、洗面所、静脈注射薬、血小板などの血液製剤、塩化ベンザルコニウムなどの低水準消毒薬中などに繁殖・増殖することが知られています。

【感染経路】
主に接触感染で伝播され、不適切に操作された輸液や輸液ルートや塩化ベンザルコニウムなどの低水準消毒薬にはセラチア菌が生存することがあり、それらの消毒薬でケアされた手術部位やカテーテル挿入部位などから手術部位感染や血流感染が発生する可能性があります。
また、ネブライザーなど呼吸器系装置の加湿水(滅菌精製水)においては、蛇管・配管・加湿水タンクなどの滅菌・消毒や加湿水の交換が頻繁に行われていない場合にセラチアが増殖することがあり呼吸器感染などの原因となることもあります。
セラチア菌は人に対しては弱毒性で、健康な人の場合、セラチアが皮膚に付いたり、たとえ口から入っても感染症になることはありません。
過去には集団発生の原因として、静脈注射液への混入とそれによる直接接種による感染がこれまでに報告されています。
セラチア菌により汚染された注射剤や輸液ルートが原因で、血液中に菌が人為的に送り込まれた場合は非常に重篤な感染症を引き起こしてしまいます。

【感染症状】
セラチア菌感染症の症状として肺炎は代表的なものですが、他に尿路感染、カテーテル関連菌血症、外科術後創部感染などがよく見られます。
その他では、軟部組織感染症、骨髄炎、手技後の胆道系感染、感染性関節炎(局所薬注入による)、眼内炎などを起こすことが報告されています。
セラチア菌の感染が問題となるのは、手術の後や重篤な疾患などが原因で感染防御能力が低下した際の感染症(いわゆる日和見感染症)で、特にセラチア菌が血液、腹水、髄液などから分離される場合です。
そのような場合には、セラチアが産生するエンドトキシンにより血圧が急激に下がったり(ショック状態)、その結果腎臓や肝臓の機能が障害され「多臓器不全」という状態に陥ると、死亡する危険性が高くなります。

【治療】
セラチア菌は、初期のセファロスポリン系抗生物質(ペニシリンなど)に耐性を示しますが、カルバペネム系・アミノグリコシド系・第4世代セフェム系、ニューキノロン系抗生物質などに対し良好な感受性を示しますので、治療が遅れなければ問題はありません。
ただ、抗生物質の効かない多剤耐性菌が各地で報告されており、問題になっています。

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某医療機関に勤務する、メタボな食いしん坊です。
もともと民間旅客機・軍用機を含む航空機全般が好きでしたが、2006年の4月から陸マイラー(時々空マイラー)生活を始めた、もっぱらJALマイラーです。

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